2026.02.13

【欧州】欧州特許庁のPACEプログラムの改訂について

1.まとめ
・EPOのサーチ(拡張/部分欧州サーチレポート)の発行が安定して早くなったため、PACE制度が見直されました。
・2026年2月1日以降、PACEの加速対象は「審査」のみとなり、PACEによる「サーチ」の加速は廃止されます。
・EPOのForm1005(PACE申請フォーム)は、審査加速の申請専用になります。

 詳細は、以下のページをご確認ください。
https://www.epo.org/en/legal/official-journal/2025/12/a69

2.改訂の背景
 EPOは、拡張/部分欧州サーチレポートを原則6か月以内(出願日またはRule 161(2)期限後)に発行する体制を継続的に達成しました(2024年の平均発行期間は5.5か月)。
 この改善を踏まえ、PACEプログラムを見直しました。

3.PACEの対象が「審査(Examination)のみ」に
 2026年2月1日以降、PACEの対象は「審査段階のみ」となり、PACEによるサーチの加速は廃止されます。
 EPOのForm1005(PACE申請フォーム)は、審査加速の申請専用になります。

4.PACEの申請方法
 PACEには、書面申請が必要です(自動ではありません)。
 必ずEPOのForm1005をオンライン提出する必要があります。
 このフォームを使わない「非公式申請」や紙提出は受理されません。
 審査段階で1出願につき1回のみ申請可能です。
 申請は、審査部(Examining Division)が担当になってから可能です。

5.PACE申請は非公開
 PACEの申請は公開されず、ファイル閲覧の対象にもなりません。

6.PACE除外
 以下の場合、PACE対象から除外され、同一出願ではPACEは利用できなくなります。
 ・PACE申請の取下げ
 ・期限延長(延長申請)をした場合
 ・出願が拒絶
 ・出願が取下げ
 ・出願が取下げ擬制

7.年金未納による停止
 更新料(年金)を期限までに支払わない場合、PACEによる加速処理は停止されます。

8.運用上の制約
 PACEは「実務上可能な範囲」かつ「審査部の負荷状況」により提供されます。そのため、技術分野によってはPACE申請が集中し、その利用に制約が生じる場合があります。
 また、ほとんどの出願にPACE申請する出願人は、EPOからPACEの申請数を絞るよう求められることがあります。

9.PCT(Euro-PCT)関連の扱い
 EPOが国際調査機関又は補充国際調査機関として関与したPCT出願の場合、早期審査は原則いつでも申請可能です。
(例):
 欧州移行時
 Rule 161(1)対応(WO-ISA/IPER/SISRへの応答)と同時

10.PACE下での審査処理目標(タイムライン)
 早期審査が申請された場合、EPOは原則として、次のOA(通知)を3か月以内に発行するよう最大限努力します。

11.施行日(適用関係)
 PACEの改訂は2026年2月1日に施行され、2026年2月1日以降に提出されたPACE申請に適用されます。
 ただし、「PACE除外」及び「年金未納による停止」は、施行時点で係属中の出願にも適用されます。

                            (北出 英敏)