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【ASEAN】ASEAN地域での特許の審査促進のための取り組み

IPニュース 2019.10.02
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 ASEAN9か国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイおよびベトナム)は、特許調査及び審査結果を特許庁間で共有することによって業務の効率化を図るべく、ASPEC(ASEAN Patent Examination Cooperation)と呼ばれる制度を設け、ASPEC加盟国に出願した出願人は、他の加盟国の調査および審査結果を利用することを求めたASPEC申請書を提出することにより特許取得を早めることができることになっています。
 この度、シンガポール知的財産庁より、ASPECに関する2つの新たな取り組みが発表されました。

(1)ASPEC-AIM (ASPEC Acceleration for industry 4.0 Infrastructure and Manufacturing initiative)
 第4次産業分野に関する特許出願について、ASPEC-AIMを利用すれば、最初のオフィス・アクションまでの所要期間が6ヶ月になるとのことです。ASPEC-AIMは、2019年8月27日から2年間実施される予定です。

(2)PCT-ASPEC
 ASPECを申請する特許出願において、ASEANの国際調査機関・国際予備審査機関(現在ではフィリピン特許庁・シンガポール知的財産庁が該当)から取得した国際調査報告書・見解書・国際予備審査報告などを利用できる制度に拡張されました。この制度は2019年8月27日から3年間実施される予定です。

 シンガポール以外のASPEC加盟国は軒並み審査期間が長く、今までは、ASPECを利用する場合は、シンガポール知的財産庁の審査結果を利用して他のASPEC加盟国にASPECの申請を行うパターンが多かったようです。
 現在、日本特許庁を受理官庁とする英語の国際出願は、国際調査機関・国際予備審査機関としてシンガポール知的財産庁に指定することが可能です。従って、これからは、ASPECを利用するために、国際調査機関・国際予備審査機関としてシンガポール知的財産庁に指定した英語の国際出願を行うという選択肢も考えられます。

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