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【ブラジル】最高裁判決に基づく一部特許の存続期間短縮について

IPニュース 2021.06.17
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 ブラジル最高裁判所は特許存続期間に関するブラジル知的財産法第40条補項を違憲とし、係属中の特許出願のみならず、発行済特許の一部にもこの違憲判断を遡及適用するとの判断を示しました。

 ブラジル知的財産法第40条は、特許の存続期間を出願日から20年(実用新案は15年)と規定し、その補項において「存続期間は特許付与日より10年(実用新案は7年)未満であってはならない」としています。

 40条補項の規定が特許保護の一時性の原則に違反し、憲法違反であるとして、2016年から争われてきました。2021年4月7日、ブラジル最高裁判所は40条補項に関して、医薬品、医薬関連製法、医療機器および/または医療用材料に関する特許について、特許付与から10年の存続期間の適用を停止する仮処分を発行しました。5月6日には40条補項が違憲であるとの判決が出されました。

 これに続く2021年5月12日、ブラジル最高裁判所は40条補項を違憲とする判断の特許・実用新案の存続期間への具体的適用についての判断を示しました:
(1) 全ての分野において、2021年5月13日以降に付与されるブラジル特許の存続期間は、出願遡及日から20年となる(実用新案は15年)。
(2) 2021年5月13日より前に20年を超える存続期間を付与されていた医療関係特許は、その存続期間が20年(実用新案は15年)に短縮される。
(3) 2021年4月7日までに存続期間短縮の訴訟が提起されていた特許(技術分野を問わない)は、その存続期間が20年(実用新案は15年)に短縮される。
(4) 上記(2)および(3)以外の、2021年5月13日より前に20年(実用新案は15年)を超える存続期間を付与された特許の存続期間は短縮されない。

 最高裁判決を受け、ブラジル特許庁は、上記(2)に該当する医療関係特許の判断基準を示しました:
(i) ブラジル知的財産法229-C条に基づき審査段階においてブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)の事前承認を受けた案件
(ii) 以下の国際特許分類(IPC)の少なくとも一に該当する案件:A61B, A61C, A61D, A61F, A61G A61H, A61J, A61L, A61M, A61N, H05G
(iii) 以下の国際特許分類(IPC)の少なくとも一に該当する案件:A61K/6, C12Q/1, G01N/33, G16H

 存続期間が短縮される特許・実用新案案件については、短縮された存続期間が記載された特許証が再発行されます。また、ブラジル特許庁の官報に随時公告されていく予定です。

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