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【日本】「ハンカチ王子」商標の登録性に関する考察

IPニュース 2007.11.17
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(2007 Annual Meeting)

概要

「ハンカチ王子」商標に係る出願の審査例を紹介しながら、かかる出願に対する特許庁の姿勢を分析するとともに、商標法4条1項7号における公序良俗概念の拡大傾向とその是非を検討する。

内容

「イナバウアー」「ホリエモン」「ハンカチ王子」・・・。流行語の顧客吸引力にただ乗りすべく、これらの流行語から構成される商標が、その流行語とは無関係の者によって出願されるケースが相次いでいる。
「ハンカチ王子」商標は、2006年夏の甲子園以降、全商品・役務区分で16件、指定商品「ハンカチ」が属する第24類で7件出願された。
これらの商標登録出願に対して、特許庁は、4条1項7号等に該当するという理由で、その登録を拒絶している。
4条1項7号は、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」、すなわち公序良俗違反を不登録事由とする。
一般論として、公序良俗規定は一般条項とされ、既存の法の不備を補完し、社会的妥当性に即した解決のために弾力的に機能する。
近年、7号は、多種多様な事例に適用されている。7号における公序良俗概念は拡大傾向にあると説かれ、その過剰な適用が問題視されつつある。
そもそも、「ハンカチ王子」商標出願の拒絶は妥当か。商標選択の自由、先願主義といった法原則を覆してまで、これらの出願を拒絶しなければならないとする合理的な理由は存在するのか。
仮に拒絶が妥当であるとしても、7号を審査段階(職権探知的に)で便宜的に適用することに問題はないのか。
「ワイドショー」的事件として笑い話に終わりそうな事例ですが、敢えて真面目に検討したいと思います。

参考判決又は参考文献

・商願2006-77903「ハンカチ王子」
・山田威一郎「商標法における公序良俗概念の拡大」知財管理51巻12号(2001)
・齊籐整・勝見元博「最近の審判決例にみる商標法第4条第1項第7号における公序良俗概念」パテント59巻8号(2006)
・松尾和子「赤毛のアン商標無効事件」知財管理57巻7号(2007)

プレゼンテーション資料はこちらから

勝見 元博

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