News Menu

News & Topics

【米国】AIの支援を受けた発明の発明者適格に関するガイダンスの発行

IPニュース 2024.03.11
  • Twitter
  • facebook

 USPTOは、2024年2月13日付の官報で、AIの支援を受けた発明(AI-assisted invention)の取扱いについて明確化を図るための出願人等およびUSPTO審査官向けガイダンスを発行しました。このガイダンスは、例えば「技術者がAIを利用して発明に到った際にその技術者に発明者適格(inventorship)があるのか?」といった点に関するものです。

 USPTOは、AIの支援を受けた発明における Pannuファクターの適用に役立つ、以下のような5つの原則(Guiding Principles)を、非網羅的なリスト(non-exhaustive list)として提供しています。
(Pannu ファクター:発明プロセスにおける自然人の貢献の評価について、CAFCが、 Pannu事件(1998 年)(Pannu v. Iolab Corp., 155 F.3d 1344, 1351 (Fed. Cir. 1998))において示した評価要素。)
(1)自然人がAIシステムを利用して「AIの支援を受けた発明」を創作したからといって、発明者としての貢献が否定されるわけではない。自然人が「AIの支援を受けた発明」に顕著に貢献している場合は、当該自然人を発明者として記載することができる。
(2)問題を認識したり、追求すべき一般的な目標や研究計画を有したりするだけでは、発明の着想の段階に達するものではない。AIシステムに問題を提示するに過ぎない自然人は、AIシステムの出力から特定される発明の適切な発明者とはならない可能性がある。しかし、AIシステムから特定の解決策を引き出す方法が顕著な貢献となる可能性はある。
(3)発明を実施に移行しただけでは、発明者適格性を満たすような顕著な貢献とはならない。したがって、AIシステムの出力を発明として認識し評価するに過ぎない自然人は、特に、その出力の特性や有用性が当業者に明らかである場合には、必ずしも発明者であるとはいえない。しかし、AIシステムの出力を取得し、その出力に顕著な貢献を行って発明を創作した者は、適切な発明者となり得る。
(4)状況によっては、特定の解決策を引き出すために特定の問題を考慮してAIシステムを設計、構築、又は訓練する自然人が発明者になる可能性があり、その場合AIシステムの設計、構築、又は訓練はAIシステムにより創作された発明への顕著な貢献である。
(5)発明の着想に顕著な貢献をすることなく、発明の創作にて使用されるAIシステムを所有又は監督するに過ぎない者は、発明者とはいえない。

 USPTOは、これらの指針が審査においてどのように扱われるかを説明する2つの事例をウェブサイトにて提供しています。
Transaxle for Remote Control Car (Example 1)
Developing a Therapeutic Compound for Treating Cancer (Example 2)

 ガイダンスの変更や追加ガイダンスの要否を判断するため2024年5月13日まで意見募集を行うことが、長官により発表されています。(Director’s Blog: AI and inventorship guidance: Incentivizing human ingenuity and investment in AI-assisted inventions

(参考)
Federal Register, vol. 89, No. 30 (February 13, 2024) 
JETRO HP:USPTO、AIの支援を受けた発明の発明者適格に関するガイダンスを発行

(柏原 啓伸)

Categories

Years

Tags