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【ブラジル】ブラジル特許庁と国家衛生監督庁との合意について

IPニュース 2017.10.10
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【ブラジル】ブラジル特許庁(INPI)と国家衛生監督庁(ANVISA)との合意について

ブラジルにおいては、「医薬用の製品および方法に関する特許の付与は、国家衛生監督庁(ANVISA)の事前の同意を必要とする。」との規定があり、この規定のために医薬用の製品および方法に関する特許出願の多くの審査が実質的に進んでいないという状況があった。

具体的には、ANVISAが、この規定を根拠に、事前承認の対象と判断した出願については、公衆衛生の観点の審査だけでなく、特許要件(新規性、進歩性等)の審査も行っており、そのことが、INPI内での処理が停止している理由の一つとなっていた。

2017年4月12日、INPIおよびANVISAは、Joint Ordinance No.1に署名し、以下の事項について両者の合意がなされた。

・INPIは、実質的な審査を行い、かつ特許の付与について決定することについて責任を負う唯一の機関となる。
・ANVISAによる事前承認は、法律の規定によりなお必要とされ、INPIに出願された全ての医薬特許は、技術的な審査を行う前に、事前の同意のためにANVISAに送付される。
・ANVISAは、公衆衛生の観点から出願を審査する。特許出願が、ブラジルにおいて禁止されてきた医薬用の製品または方法(一般にコカイン、ヘロイン等の麻薬)に関するものである場合、それは公衆衛生に反するものと考えられる。ANVISAが事前の同意を拒否する場合、当該出願は、最終的な棚上げ(shelving)(※審査がなされず、その旨が公報に掲載されるようである)のために、INPIに送付される。
・特許出願が、統一医療システム(SUS:ブラジルの医療保障制度)に関連する医薬用の物品または方法に言及している場合、ANVISAは、特許要件に関する分析とともに、意見を発行してよいが、その意見は、INPIで実施される技術的な審査の補助資料として提供されるだけである。INPIはANVISAの意見を分析するが、その決定に際し、当該意見を考慮する必要はない。
・特許出願が、公衆衛生に対する健康上のリスクを示しておらず、統一医療システムとも関連しない医薬用の製品または方法に言及している場合、ANVISAは自動的に事前の承認を付与し、当該出願は審査のためにINPIに戻される。

この合意により、INPIとANVISAの役割分担が明確となり、また、特許性に関する審査の決定権限はINPIにあることが確認された。
上記の合意は、これまでANVISAによって事前の承認が否定された出願にも適用される。

この合意の後、2017年6月27日に、INPIより、この合意に関する規則として、Normative Instruction No. 1(NI 01/2017)が発表され、同日より施行されている。さらに、2017年8月10日には、ANVISAより、この合意に関連して、医薬用の製品および方法に関する特許出願のための行政手続を定めた決議No. 168(RDC 168/2017)が発表されている。

以上

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