先輩所員のインタビュー 弁理士  山田 純子

他分野の方との連携や
外国案件など、
入所して一気に広がった仕事の幅

弁理士
山田 純子
特許 / 化学・材料
2017年入所 / 2004年弁理士登録
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異分野にまたがる案件は
協力体制で

私は大学で有機・無機化学について学び、卒業後は特殊鋼メーカーで研究職に就きました。その後、特許に興味をもち、1999年にある特許事務所へ入所しました。弁理士資格取得後に携わったのは、主に、金属、セラミックスなどの無機化学分野の特許権利化や鑑定業務です。無機化学分野の仕事をより増やしたいと思い、転職を考えはじめました。ちょうど青山特許事務所の入所説明会があり、そこで事務所の雰囲気を知ることができ、また、共同代表の山尾憲人さんから無機化学分野の担当者を募集していることや、青山特許事務所の方針などをお聞きして、良い仕事環境だなと思い、入所しました。

青山特許事務所に入所した当初は、とにかく規模の大きさに圧倒されました。主に化学専門だった前の事務所と比べると、様々な分野の専門家がいて、扱う案件も広範囲にわたっています。私の専門は、金属、セラミックスなどの材料ですが、青山特許事務所に来てからは、別のグループの方と協力し合って一つの案件に対応するケースもあります。たとえば、電気関係の部品や医療器具の一部に、金属やセラミックス、樹脂などが使われていて、それが機能や動作にどう影響しているのか、材料担当として検討し、発明の構築に反映させる場合があります。

最近は技術融合が進んでいるので、複数の分野にまたがる案件は増えていて、前の事務所でもごく稀に同様の案件はありました。でも、分野の違う人たちと連携するのは初めてで、分野によって目線が異なることに気づいたりして新鮮です。得意分野を活かして仕事を続けたいというのが志望動機だったのですが、仕事の幅が広がったのは思わぬ収穫でした。あらゆる分野をカバーする人材が揃っているからこそ、多種多様なニーズに応えられるのだと思います。

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所内の勉強会で
実践的な英語力をアップ

外国案件を扱うことが格段に増えたのも大きな変化です。前の事務所では7~8割が国内関係で、外国関係にもっと携わりたくても、なかなか機会が巡ってこなかったのですが、青山特許事務所に入ってからは「もういいよ」って言いたくなるくらい(笑)。相手国は東南アジアが多く、タイ、インドが牽引するかたちで、中国、台湾、韓国、タイなどの東南アジア、インド、アメリカ、ヨーロッパ……もう世界中ですね。入所前から外国関係に強い事務所だとは聞いていましたが、いきなり世界が広がった気がします。

韓国の案件などではたまに日本語が通じることもありますが、基本的にコミュニケーションもレターも英語です。日本から外国に出願するケースは前の事務所でも扱っていましたが、いまは日本から外国に出願する案件はもちろんのこと、日本での出願を希望する外国のクライアントの案件も多くあり、これまで以上に高度な英語力と国ごとの法律の知識が必要になりました。前の事務所では、難度の高い英文レターなどはちょっと手伝っていただくこともあったんです。でもここでは、担当者がきちんとしたレターを自分で作成する、というのが事務所の方針で、自力でこなさなくてはいけないので、英語力のさらなる向上に努めています!

業務と並行して学ぶうえで役立っているのが、所内の勉強会です。技術系英文ライティングや、外国出願のための特許翻訳では、課題に沿ってそれぞれ作成してきた英文を、特許英語に精通した先生が添削してくださいます。同じことを表現しているようにみえる英文でも解釈が異なるなど、とても勉強になります。同じ題材なので、自分が行き詰まったところをほかの人はどう表現しているか、参考にできるのもいいですね。

入所前は英語レベルの高い事務所というイメージが先行して、「やっていけるかな」と不安もあったのですが、OJTも含め教育制度が行き届いていて心強いです。

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外国事情に精通した
エキスパートが身近に

外国のクライアントの場合、出願内容に直結した内容は比較的容易に通じるのですが、日本独特の制度や考え方を、英語で伝えてご納得いただくまでが一苦労です。生活習慣の違いなども、仕事上のやりとりに関係してきます。たとえば、欧米の方はクリスマス休暇をとても大事にされているので、その期間をふまえて早めに連絡させてもらったりしています。また外国では、年末は大晦日まで仕事をされていることも多いのですが、今度は日本の関係各所が年末年始の休みに入ってしまうのでその旨を説明したり……。

外国の特許制度も各国により様々ですが、国ごとに精通した人が所内にいて、気軽に聞きにいけるのは本当に助かります。一人で悩んだり、調べたりするより断然早くて実情に即しているので、「人の力はやはりすごいな」と実感しています。いろんなエキスパートが身近にいることは、青山特許事務所の魅力ですね。

今後は、外国案件についての勉強をさらに深め、日本のクライアントが外国に出願などされる際の戦略的なサポートのいっそうの充実や、外国のクライアントからの日本特許制度などについての問い合わせに、よりスピーディに対応できるようになりたいです。周囲の皆さんが現地の代理人とこまめに情報交換したり、法改正でどんどん変わっていく他国の法律を分担して追跡したりと、様々なことに活発に取り組んでいる姿から、いい刺激を受けています。大変なときもあるけれど、皆さんについていけるよう、私も前向きにがんばらないと。

私たちの役割は、出願したものがクライアントの望む範囲でより確実に権利化されることなので、特許庁の対応や、世の中の判例には常に敏感でなければいけません。そのために、情報収集と勉強はつきものです。努力は必要ですが、やる気になれば習得できることはたくさんあり、それが仕事にもダイレクトに結びついてくるので、やりがいがあります。国内外を問わず、クライアントに満足いただけるかたちで権利化できたときが、一番うれしいですね。残念ながら権利化がかなわなかったときでも、ご納得いただけるよう説明し、次の特許出願に向けて有益なアドバイスをさせていただくなど、誠心誠意尽くしたいと思っています。

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グローバリゼーションを
体感できる職場環境

受験を控えた娘と学校見学に行くと、「グローバル人材の育成」をキーワードに、英語教育に力を入れている学校が多いことに改めて気づきます。学生にはまだピンとこないかもしれませんが、青山特許事務所に入ってから「グローバル化って、こういうことなんだ」と納得する場面がよくあります。青山特許事務所は、伝統的に外国の特許事務所から多くの研修生を受け入れ、また多くの代理人が外国から来所する事務所であり、最近ではWebでも、お互いの国の特許制度などについて意見交換を行ったりします。ここに入ってからいろんな国の方と意見交換し、コミュニケーションをとる機会が急増しました。まさにグローバル社会の真っただ中にいる感じです。青山特許事務所ではそれが当たり前になっていて、皆さんごく自然に外国の方と接しておられるので、そういうところに入れたのは幸せなことだと思います。

グローバリゼーションを日常的に感じる職場に身をおきながら、在宅でできる業務が多いのも、弁理士という仕事の長所です。調べ物をしたり、翻訳したり、レターを作成したりと、家でもできる部分が多く、スケジュール調整もしやすいので、時間の自由がききます。出産や子育てと両立して、長く仕事を続けられる環境はありがたいですね。